総合1位は「健康」
185ptで、2位のお金とは3pt差でした。
20代・30代・40代・50代のゲイ男性、それぞれ30名に同じ6項目について聞きました。ランキングと寄せられた言葉から、悩みが年代とともにどう変わり、重なっていくのかを読み解きます。
今回の年代横断分析で見えてきた4つのポイントを、先にまとめました。
185ptで、2位のお金とは3pt差でした。
4世代すべてで1位か2位に入り、年代を問わず続く悩みでした。
20代は15名、30代は14名が両方を選び、生活と働き方を一つの問題として捉えていました。
30名中25名が両方を選び、体調、仕事、介護、老後の暮らしへ悩みが広がっています。
集計は、1位3pt・2位2pt・3位1ptとして加算しています。未回答の順位には加点せず、同じ回答者が同一項目を複数順位で選んだ場合は、最も高い順位の回答だけを採用しています。
※本調査は4世代120名の回答を整理したもので、すべてのゲイ男性を代表するものではありません。
20代・30代・40代・50代のポイントを合算し、120名全体のランキングを作成しました。各世代の回答者は30名ずつです。
総ポイントが年代ごとに異なるため、各項目がその年代の総ポイントに占める割合を比較しました。棒の長さは、40%を最大の目安として表示しています。
貯金できるか、恋人ができるか、今の仕事でよいか、親に介護が必要になったらどうするか。答えが見えないこと自体が悩みになっています。
転職できる年齢、身につけるスキル、親の老い、健康診断の数値など、「そろそろ判断しなければ」という感覚が強まります。
持病や体力低下、親の介護、仕事の継続、老後資金が同時進行し、一つの問題だけを切り離して考えにくくなります。
定年、年金、住居、介護、終活、社会とのつながりまで、老後の暮らしを具体的に組み立てる必要が見えてきます。
最も大きく変化したのが健康です。選択者は20代15名、30代16名、40代25名、50代30名へ増え、50代では回答者全員が健康を選びました。
体重、生活習慣、家族の病歴、足腰の痛みなど、将来病気になる可能性が語られました。
疲労、肩こり、腰痛、健診数値、病気によって以前のように働けないという声が現れます。
入院、服薬、治療、体力低下が、仕事や人付き合いを続けられるかという問題へつながります。
動けなくなった時、誰に頼るか、パートナーへ負担をかけないか、介護状態でも生活できるかが問われています。
年齢とともに増えたのは、病気への恐怖だけではありません。健康を失うと、仕事、収入、移動、人との交流、自分の介護まで影響するため、健康が生活全体を支える条件として重くなっています。
お金は全年代で1位か2位でした。仕事は40代以降に順位が下がりますが、自由回答では、お金や健康を支える手段として引き続き語られています。
趣味や遊びで貯金できない、物価に給料が追いつかない、転職すべきかという現在の問題が中心です。
最後の転職になるのではないか、スキルを身につけるべきか、パートナーとの生活に必要な収入をどう確保するかが加わります。
体力、持病、不景気、給与停滞によって、今の働き方を何歳まで続けられるかが現実的な課題になります。
年金、退職後の収入、賃貸の家賃、医療・介護費、仕事を辞めた後の社会との関わりまで考える声がありました。
お金の悩みは、年代が上がっても消えません。健康や介護の問題を自分で支えるための手段として、考える範囲が広がっています。仕事の順位が下がっても、重要性が薄れたわけではありません。「健康な状態で働き続けられるか」「働けなくなった後も暮らせるか」という形で、お金と健康の問題につながっています。
恋愛の構成比は20代18.6%から50代6.7%へ下がりました。ただし、自由回答を読むと、人とのつながりが不要になったわけではありません。
交際経験、過去の恋愛、出会いの有無、友人と恋愛の境界など、関係の始まりと継続が中心です。
別れの喪失感、地方での出会い、周囲の結婚、パートナーへ依存しすぎない関係が語られます。
親の介護、地域、治療、仕事などの条件の中で、恋愛を優先するか、どのような関係を望むかが分かれます。
恋愛そのものより、老後を共に過ごす人、病気や孤独への心理的な支えとしてのパートナーが語られています。
順位だけを見ると、恋愛や友人関係の割合は下がります。しかし自由回答では、年齢とともに「出会えるか」だけでなく、「病気や老後を誰と支え合うか」という問いへ広がっていました。直接選ばれなくても、人とのつながりは他の悩みの背景に残っています。
家族の構成比は20代9.9%、30代10.1%、40代10.6%、50代11.2%と大きな変動はありません。一方、自由回答の内容は年代とともに変わっています。
親に介護が必要になった時の準備、費用、仕事との両立が分からないという声が中心です。
実家、墓、相続、長男としての責任、カミングアウトしていない家族とパートナーの関係が加わります。
認知症、親の一人暮らし、家の処分、墓じまいなど、対応が必要な事柄として具体化します。
遠距離介護、Uターン、親の相続に加え、自分が介護される側になった時の支援まで考える声が現れます。
家族は順位の変化が小さい項目ですが、「いつか起こるかもしれないこと」から「誰が、どこで、どの費用を負担するか」という実務的な問題へ変わっています。順位だけでは、内容の深まりを捉えきれません。
各年代で多かった組み合わせを見ると、20代・30代では「お金と仕事」、40代・50代では「健康とお金」が中心へ移っています。
生活費や貯金を支えるものとして、仕事の安定や転職が強く結びついていました。
20代と同じ組み合わせが最多ですが、将来のキャリアや老後資金まで視野が広がります。
健康を崩した時に仕事や収入を維持できるかという連鎖が、回答の中心へ移ります。
健康とお金を切り離せない人が大半となり、介護や家族の問題も同じ生活基盤へ重なります。
一部の回答では、結婚や子どもを持つことが一般的な人生設計として想定される中で、自分の老後や介護を誰が支えるのかという迷いが語られました。
カミングアウトしていない家族、遠距離の実家、緊急時の対応など、パートナー関係が家族の支援体制へ自然に組み込まれない不安が見られます。
友人関係の順位が低い年代でも、退職後の社会との関わり、緊急連絡先、孤独、頼れる人の存在は、自由回答の中で繰り返し現れていました。
20代では将来像が見えないこと、30代では選択を迫られること、40代・50代では健康や介護などが現実の生活へ影響することが中心になっています。
仕事、お金、恋愛、家族は、健康を保ちながら暮らしを続けるための条件として、より強く結びつくようになりました。
貯蓄や健康だけではなく、パートナー、家族、友人、社会とのつながりを含め、自分の生活をどのように支えるかという問いが回答全体に流れています。
本調査の結果を正確に読んでいただくため、調査目的、対象、設問、集計方法、結果の見方をまとめます。
20代から50代のゲイ男性・悩みアンケート調査
年代ごとの悩みや価値観、その変化を記録し、当事者の声を広く届けること
ふらっとゲイバーマップ編集部
2026年
20代・30代・40代・50代のゲイ男性
各世代30名、合計120名
お金/仕事/恋愛/健康/友人関係/家族
優先順位をつけた最大3項目の選択回答と自由記述
回答者には、「お金」「仕事」「恋愛」「健康」「友人関係」「家族」の6項目から、現在気になっている悩みを最大3項目まで、優先順位をつけて選んでもらいました。あわせて、それぞれを選んだ理由を自由記述で回答してもらいました。
ランキングは、1位を3pt、2位を2pt、3位を1ptとして加算し、合計ポイントの高い順に作成しています。未回答の順位にはポイントを加えていません。同じ回答者が同一項目を複数順位で選んだ場合は、最も高い順位の回答だけを採用し、下位の重複回答は順位別件数・ポイント・選択者数のすべてから除外しています。総ポイントは、20代172pt、30代178pt、40代179pt、50代179pt、4世代合計708ptです。
1位から3位のいずれかで、その項目を選んだ回答者の実人数です。同じ回答者が同一項目を複数順位で選んだ場合は、最も高い順位の回答だけを採用し、1名として数えています。
1位3pt・2位2pt・3位1ptを合計した、ランキング作成用の数値です。同一回答者による同一項目の重複回答は、最も高い順位のみを加点しています。
回答者の割合ではなく、各年代または4世代合計の総ポイントに占める構成比です。
回答の意味や感情を変えない範囲で、読みやすい表記に整えています。
今回の調査にご協力いただいた120名の皆さまへ、心より御礼申し上げます。ふらっとゲイバーマップでは、年代ごとの悩みや価値観の変化を継続して記録するため、本調査を毎年実施していく予定です。これからも一人ひとりの声を大切に、今を生きるゲイ男性のリアルを丁寧に届けてまいります。
本調査結果を引用・転載する場合は、「ふらっとゲイバーマップ調べ」と本記事のURLを明記してください。取材、掲載、データの確認に関するご相談は、お問い合わせページよりご連絡ください。
それぞれのランキング、回答者コメント、年代ごとの分析は、個別の記事で詳しく紹介しています。