01
このサイトを始めたきっかけ
ふらっとゲイバーマップは、「こんなお店があったんだ」「こんなママがいるんだ」という発見を、もっと多くの人に届けたいと思ったことから始まりました。
さまざまなお店を知る中で、お店ごとに流れている空気がまったく違い、ママごとに大切にしている考え方も違うことを知りました。長く愛され続けてきたお店もあれば、新しい挑戦を続けているお店もあります。同じエリアの中にあっても、それぞれに違った魅力があり、その場所ならではの空気が育まれています。
一方で、そうした魅力が十分に届いていないと感じることもありました。お店の存在を知るきっかけさえあれば、足を運んでみたいと思う人もいるはずです。
それなら、「ふらっとゲイバーマップで知った」というきっかけがあってもいいのではないか。そんな話をしていた時に、「面白そうだね。やってみようよ」と背中を押してくれたのが、今も一緒に運営しているかんちゃんでした。
最初は、何から始めればいいのかも分からない状態でした。それでも、一軒ずつお話を伺ううちに、少しずつ形が見えてきました。掲載したお店のママから別のお店をご紹介いただいたり、SNSを通じてこの活動を知った方から掲載のご相談をいただいたりするようにもなりました。
そうして少しずつ、この活動は広がりを見せています。「ふらっとゲイバーマップで知った」という小さな入口を、これからも一つひとつ増やしていきたい。その思いを大切にしながら、このサイトを運営しています。
02
この活動の背景にある想い
私たちがこれまで触れてきたLGBTQコミュニティには、年齢やバックグラウンドの異なる、さまざまな方がいました。
会社員、自営業、経営者。普段の生活では接点のない人たちが、同じ空間でお酒を飲みながら自然と会話を交わしている。そんな光景は、LGBTQバーの中では決して珍しいものではありません。
話題もさまざまです。仕事の話をする日もあれば、恋愛の話になる日もあります。趣味の話で盛り上がることもあれば、たわいない雑談だけで夜が過ぎていくこともあります。
そうした時間の中で、自分にはなかった考え方に触れる瞬間があります。知らなかった世界が少し近くなったり、これまで関心を向けてこなかったものに目が向いたりすることもあります。
誰かとの会話をきっかけに、新しいお店へ足を運ぶ。そこでまた別の人と出会い、今まで知らなかったコミュニティに触れる。そうやって、自分の世界は少しずつ広がっていきます。
特別な出来事ばかりではありません。
たまたま隣に座った人との会話。誰かに教えてもらった場所へ行ってみた夜。思い返すと、自分たちの世界を広げてくれたのは、そうした小さな出来事の積み重ねでした。
その始まりには、いつも「知ること」がありました。
知らなかった人を知る。
知らなかった場所へ行ってみる。
知らなかったコミュニティに触れる。
そこから新しい会話が生まれ、次の出会いへと繋がっていく。私たちがこれまで出会ってきた人や場所の多くも、そうした繰り返しの中にありました。
ふらっとゲイバーマップも、その延長線上にある活動です。
03
受け継がれてきたゲイバーの文化
ゲイバーやLGBTQバーに関わるお話を伺っていると、そこには長い時間をかけて積み重ねられてきた文化があることを感じます。
ゲイバーの歴史には諸説ありますが、戦後以降、それぞれの時代の中で多くの人たちによって少しずつ形づくられてきた場所だと、私たちは考えています。お店を続けてきたママがいて、通い続けてきたお客さまがいて、その空間で交わされてきた数えきれないほどの会話があります。
同じゲイバーという言葉で括られていても、そのあり方は時代や街、お店によって少しずつ異なります。賑やかに会話が広がるお店もあれば、ゆっくりお酒や会話を楽しむお店もあります。それぞれの空気や関係性が重なり合いながら、街ごとの文化を形づくってきたのだと思います。
私たちは、ゲイバーやLGBTQバーを単なる飲食店としてではなく、人と人との繋がりや、その時代の空気が受け継がれてきた場所だと考えています。
一方で、今も変わらず耳にする声があります。
「LGBTQバーに興味はあるけれど、どんなところか分からなくて少し不安。」
そう感じている人は少なくありません。
けれど、その最初の一歩から、新しい人との出会いが生まれます。初めて訪れた夜が、誰かにとって新しいコミュニティに触れる入口になることもあります。
これまで多くの人たちによって続いてきた文化が、これから先も受け継がれていくこと。その文化に触れる人が、少しずつ増えていくこと。
それもまた、この活動を続ける理由の一つです。
04
お店の数だけ物語がある
一軒一軒のお話を伺っていると、同じLGBTQバーであっても、そのお店が生まれた理由は一つとして同じではないことに気づきます。
お店を始めた頃のことを聞かせていただく場面では、当時の街の様子や、店名に込めた意味、開業当初のお客様との思い出に触れることがあります。時には、何十年も前の話を聞かせていただくこともあります。
そうした言葉に耳を傾けていると、それぞれの一軒に違う歴史や歩みがあることが見えてきます。
同じ街にあり、同じように営業しているように見えても、その背景はまったく異なります。自分が通っていた街に恩返しをしたいという想いから始まったお店もあれば、自分自身が欲しかった空間を形にしたお店もあります。
今のお店の魅力は、その日その場の雰囲気だけで作られているわけではありません。始めた人の想いがあり、長年通い続けてきたお客様との時間があり、その一軒で重ねられてきた日々があります。そうした歩みが、今の空気や雰囲気につながっているのだと思います。
だからこそ私たちは、お店そのものだけではなく、その奥にある歩みにも目を向けるようになりました。
なぜこのお店が生まれ、どのような時間を経て今に至ったのか。その流れを知ることで、一軒のお店の見え方が少し変わることがあります。
その物語もまた、お店を形作る大切な一部です。
だからこそ私たちは、これからも一軒一軒にある歩みを、丁寧に残していきたいと思っています。
05
私たちが取り組んでいること
ふらっとゲイバーマップでは、実際にお店へ伺い、ママや関係者の方々に取材させていただきながら、一軒一軒の記事を制作しています。
取材では、料金や営業時間、店内の雰囲気、来店されるお客さまの傾向、入店ルールなど、初めて訪れる前に知っておきたいことを丁寧に伺います。それらの情報を整理し、できる限り分かりやすくまとめたものが「基本情報ページ」です。
また、数字や項目だけでは伝わらない、お店が生まれた背景や、ママが大切にしている考え方、その場所で重ねられてきた時間にも耳を傾けています。そうして伺ったお話は、「一期イチGay」として、人柄や歩みが伝わる記事にまとめています。
同じ一軒であっても、来店前に知りたい情報と、その奥にある物語では、見えてくる魅力が異なります。だからこそ私たちは、お店を探すための情報と、より深く知るための記事を、それぞれの形で届けています。
写真や言葉を通して、その一軒らしい空気を伝えること。初めて訪れる方の不安を少し軽くすること。そして、お店やママが歩んできた時間を、記録として未来へ残していくこと。
取材にご協力いただく皆さまへの感謝を忘れず、一つひとつの出会いを大切にしながら、私たちはこの活動を続けています。
06
私たちが目指す未来
この活動を続けていると、一つのお店を知ったことが、次の出会いへ繋がっていく場面があります。
記事を読んで、その一軒に興味を持ってくださる方がいる。掲載されたお店のママが、別のお店を紹介してくださる。誰かの話をきっかけに、今まで知らなかった街やコミュニティへ目が向く。
そうした出来事に触れるたびに、情報はただ読まれて終わるものではなく、人や場所との接点を生み出していくものなのだと感じます。
一方で、LGBTQバーに興味はあっても、どんな空間なのか分からず一歩を踏み出せない人もいます。コミュニティに触れてみたいと思いながら、その入口が見つからない人もいます。自分に合う人や場所と出会いたいのに、どこから始めればいいのか分からない人もいます。
だからこそ私たちは、ふらっとゲイバーマップを、ただお店を探すためだけのサイトではなく、人やお店、コミュニティとの接点が生まれる入口にしていきたいと考えています。
一軒のお店を知ることで、行ってみたい場所が増える。人を知ることで、新しい考え方に触れる。コミュニティを知ることで、自分に合う場を見つけるきっかけになる。
そうした一つひとつの出会いや発見が、点で終わらず、少しずつ線として繋がっていく。その先で、自分に合う人や場所、コミュニティと出会える機会が、今よりも少しずつ増えていく。
私たちは、そんな未来を目指しています。