自分の葬儀や死後の手続きを、パートナーや友人に任せるには?

自分の葬儀や死後の手続きを、パートナーや友人に任せるには? 希望・権限・費用・情報共有を整理するLGBTQライフプランのアイキャッチ
ふらっとゲイバーマップ|ライフプラン編
同性パートナーや友人に、自分が亡くなった後の手続きを頼むことは考えられます。 ただし、希望を書くだけで、すべての手続ができるようになるわけではありません。「希望」「権限」「費用」「情報共有」を分けて準備します。

情報確認:

先に答え|4つで備える

死後事務委任契約は、「亡くなった後の実務を誰に頼むか」を整える方法の一つです。遺言、相続、各手続先のルールとは役割が違います。

希望してほしいこと
権限任せる相手と内容誰に何を任せる
費用必要なお金
情報共有伝える相手と範囲誰に何を伝える

任せたいことを書き出す

最初に決めるのは、契約の種類ではありません。自分が亡くなった後に、「誰に」「何を」してほしいのかを書き出します。
葬儀・火葬・納骨連絡してほしい人、葬儀の希望、火葬や納骨について伝えておきたいこと。
病院・施設・行政病院や施設への支払い、返却物、死亡後に必要になる届出など。
住まい・契約管理会社への連絡、明渡し、鍵、公共料金、通信契約など。
遺品・生活重要書類、家財、写真、手紙、ペットなどをどうしてほしいか。
デジタルスマホ、メール、SNS、クラウド上の写真、サブスクリプションなど。
「してほしいこと」と「財産を誰に残すか」は分けて考えます。財産を渡すことは相続や遺言の領域で、死後の実務を任せることとは同じではありません。 家族にパートナーの存在やセクシュアリティを伝えていない場合は、「誰へ連絡してほしいか」と一緒に、「誰には何を伝えてよいか」も書いておきます。

希望と手続を分ける

エンディングノートや希望メモは、自分の考えを伝えるために役立ちます。葬儀、写真、連絡してほしい人などの希望は、頼みたい相手へ直接伝え、紙やデータにも残して、保管場所を共有しておきます。 ただし、通常の希望メモを作っただけで、相手に契約を解約したり、住まいの残置物を処理したりする権限まで生じるとは限りません。

希望として残す

連絡先、葬儀・火葬・納骨、写真や遺品、家族へ伝えてよい範囲など。

別に確認する

賃貸契約の終了、残置物、各種解約、行政手続、相続財産に関わることなど。
例えば死亡届は、同居者や一定の親族、後見関係者など、届出できる人が戸籍法で定められています。死後事務を頼まれた人だからという理由だけで、誰でも届出人になれるわけではありません。 公共料金や携帯電話の解約も、契約先によって必要な書類や受け付ける人が異なります。任せたい事務ごとに、実際の手続先で何が必要かを確認します。

死後事務委任の役割

死後事務委任契約は、生前に、自分が亡くなった後の一定の事務を誰かへ頼んでおく契約です。 葬儀に関する連絡、住まいの明渡しに向けた手続、公共料金や通信契約の解約などを、契約内容に応じて整理する方法があります。信頼する同性パートナーや友人へ頼むことも選択肢になります。 ただし、契約で頼んだ事務でも、手続先のルールや法律上の届出資格などにより、受任者だけでは完結できない場合があります。
誰に引き受ける人を決め、依頼する内容をその人と確認する。
何を葬儀、解約、明渡しなど、頼む事務を具体的にする。
費用・報酬実費や報酬がある場合の考え方を決める。
死亡後の扱い本人が亡くなった後に行う契約であることを明確にする。
民法では、委任は原則として委任者の死亡により終了するとされています。政府のガイドラインでは、死後事務を依頼する契約について、本人が死亡しても契約を終了させないことを契約上明確にする考え方が示されています。 本人が亡くなった後は内容を確認し直せないため、自分の希望を説明し、契約内容を理解して決められるうちに準備します。公正証書を利用する方法もあります。

関わる人の役割は同じではない

死後事務の受任者契約で決めた葬儀、解約、明渡しなどの事務を行う人。
遺言執行者遺言の内容を実現する人。
相続人亡くなった人の財産上の権利・義務を承継し、死後事務でも調整が必要になる場合があります。

任意後見は、本人の判断能力が低下したときの生前の支援に備える仕組みです。死後事務とは分けて考えます。

費用と、頼んだ人が動けない場合を考える

手続きを頼むなら、「誰がするか」だけでなく、費用をどう準備するかも決めておきます。
実費葬儀・火葬、明渡し、片付け、郵送や移動、未払い費用など。
報酬専門家や事業者へ依頼する場合などに発生する報酬。
資金の準備預貯金や相続財産との関係も踏まえ、支払方法を契約内容と一緒に確認する。
パートナーや友人へ頼む場合も、立替えを当然の前提にせず、どの程度の費用が必要になりそうかを一緒に確認しておく方が負担を残しにくくなります。 本人名義の通帳やカードを渡しておくだけでは、死亡後の費用を支払う仕組みが整ったことにはなりません。具体的な資金の準備方法は、契約内容と一緒に確認します。 事業者へ費用を前払いするサービスを使う場合は、預ける金額、使途、管理方法、追加費用の条件、残金の扱いまで確認します。 相手が先に亡くなる、病気になる、辞退する、連絡先が変わることもあります。依頼内容と連絡先は定期的に見直し、必要であれば、代わりに頼む人や専門家をどうするかも相談しておきます。

家族への開示とデジタル情報を決める

家族に同性パートナーの存在やセクシュアリティを伝えていない場合、「誰へ何を伝えるか」は死後の手続と切り離せません。 だからといって、すべてを家族へ伝える必要がある、という話でもありません。「伝える・伝えない」の二択ではなく、範囲を決めておきます。
誰に家族、友人、葬儀社、病院・施設、管理会社、専門家など。
何をパートナーの氏名、関係性、連絡先、葬儀の希望、書類の場所など。
いつ死亡の連絡時、葬儀の打合せ時、住まいの手続時など。
どこまで「パートナー」と伝えるのか、連絡先だけか、写真等を見せてよいか。
政府のガイドラインでは、死後事務の内容を相続人へ事前に知らせないことを本人が望む場合、事務の実行が難しくなる可能性を説明しておく考え方が示されています。 そのため、手続上どうしても説明が必要になった場合に、誰へ、どの範囲まで伝えてよいかも考えておくと、頼まれた人が判断しやすくなります。 スマホやクラウドには、パートナーとの写真、メッセージ、SNS、アプリの通知など、関係性が分かる情報が残っていることがあります。 サービスごとに死後の手続やアクセス方法は異なり、一部には、生前に死後のアクセス先を指定できる機能もあります。パスワードだけに頼らず、利用中の主なサービス、残したい・削除してほしいデータ、誰にどこまで見てほしいか、サービス側の死後手続を分けて整理します。 家族へ関係を伝えていない場合は、端末や写真を誰が最初に見ることになるのかまで考えておくことが、意図しない形で関係が伝わることへの備えになります。

共有チェックリストと相談先

最初からすべてを契約にする必要はありません。まず、次の3つを進めます。
亡くなった後に任せたいことを書く任せたいことを書き出す
頼みたい相手に引き受けられるか話す引き受けられるか聞く
必要な権限・費用・情報を確認する権限・費用・保管先を確認
  • 任せたい人の氏名・連絡先
  • 死亡時に連絡してほしい人
  • 葬儀、火葬、納骨についての希望
  • 住まい、管理会社、主な契約
  • 鍵、重要書類の保管場所
  • 遺品、写真、ペットについての希望
  • スマホ、SNS、サブスク等の一覧
  • 家族へ開示してよい情報の範囲
  • 遺言等がある場合は、その保管場所
  • 死後事務に使う費用の考え方
  • 内容を見直す時期

どこへ相談する?

公証役場公正証書にする場合の手続、必要資料、手数料。
弁護士契約の法的な意味、遺言・相続との関係、親族との意見の違いなど。
行政書士対応範囲を確認したうえで、委任契約など権利義務に関する書類の作成。
司法書士不動産登記や、法務局・裁判所へ提出する書類など、司法書士の業務に関わる手続。
税理士・税務署死亡後の申告や税金について確認したい場合。
実際の手続先自治体、管理会社、公共料金・通信の契約先などで、必要書類や受付条件を確認。

予約するときは「死後事務委任について」だけでなく、「パートナーに住まいの明渡しと契約の解約を頼みたい」など、実現したいことまで伝えると確認しやすくなります。

まとめ|まず、この3つから

自分の死後をパートナーや友人へ任せたいとき、最初から制度をすべて理解する必要はありません。
  1. 何を任せたいか書き出す
  2. 頼みたい相手と話す
  3. 希望だけで足りない手続を確認する
そのうえで、必要なところだけ死後事務委任契約、遺言、各手続先への確認などを組み合わせます。 家族に関係を伝えていない場合も、「誰に何を伝えてよいか」まで言葉にしておくことで、頼まれたパートナーや友人が、本人の希望を推測だけで判断する場面を減らせます。

”1人”だけど”独り”じゃない。誰もが助け合える世の中にするため
ふらっとゲイバーマップでは以下の記事も紹介しています。

”1人”だけど”独り”じゃない。
誰もが助け合える世の中にするため
ふらっとゲイバーマップでは以下の記事も紹介しています。

悩みやくらしに関するアンケートはコチラから

きょーちゃん    かんちゃん

当サイトでは、LGBTQ+コミュニティのつながりを広げ、多様な活動や取り組みをより多くの方に届けるため、コミュニティ団体・スポンサー企業さまを募集しております。

団体の活動紹介やイベント情報、企業の取り組み、サービスのご紹介など、皆さまの活動や想いを当サイトで発信してみませんか?

団体の活動紹介やイベント情報、企業の取り組み
サービスのご紹介など、皆さまの活動や想いを
当サイトで発信しませんか?

きょーちゃん  かんちゃん

この記事をシェア
文字の大きさはコチラで変更できます