同性パートナーに財産を残す遺言書、どう作ればいい?

同性パートナーに財産を残す遺言書、どう作ればいい? 遺言書の種類・作成・保管・見直しを確認するLGBTQライフプランのアイキャッチ画像
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預貯金や自宅を、同性パートナーに残したい。法定相続人ではない人へ遺言で財産を渡す「遺贈(いぞう)」は、そのための方法の一つです。

まずは作り方を比べ、残したい相手・財産、保管や連絡の希望を整理するところから始められます。

ここでは、法定相続人ではないパートナーへ残す場合の、方法の違いと準備を紹介します。

情報確認:

遺言書の種類と違い

主な方法は、自分で書く自筆証書遺言と、公証人が作る公正証書遺言です。作り方だけでなく、保管や死後の手続きにも違いがあります。

「相続」は法律上の相続人が財産などを引き継ぐこと。「遺贈」は、遺言で指定した人へ財産を残すことです。

自筆証書遺言と公正証書遺言の比較
比べる項目自筆証書遺言公正証書遺言
作り方 本人が本文などを手書きして作成。 本人の希望をもとに、公証人が作成。
保管 自宅などで保管。法務局の保管制度もあります。 原本が保管され、書面などが手元に交付されます。
費用の有無 作成自体に公証手数料は不要。保管制度などの利用には費用がかかります。 作成に公証手数料がかかります。
検認 原則必要。法務局の保管制度を利用したものは不要です。 不要です。
選ぶ目安 自分で書き、方式や保管方法を確認しながら進めたいとき。 公証人へ希望を伝え、相談しながら作りたいとき。
注意点 決められた形式で作成します。法務局の保管は、内容の有効性を保証する制度ではありません。 証人の手配や必要資料を、公証役場で確認します。

検認(けんにん)は、家庭裁判所が遺言書の状態や内容を確認する手続きです。有効・無効を判定する手続きではありません。

作成前・作成時・作成後の3段階

  1. 1|作成前残したい相手・財産・気になることをメモに。
  2. 2|作成時方法を選び、必要な資料と費用を確認。
  3. 3|作成後保管と連絡の方法を整え、生活の変化に合わせて見直す。

相手・財産・執行者

まずは「誰に、何を、どの範囲で残したいか」をメモにします。受取人の氏名・住所、連絡方法を書き出し、通称を使う場合は本人確認できる氏名との対応も整理します。

預貯金
通帳など、金融機関・支店・口座が分かる資料。
不動産
所在地・名義・自分の持分、ローンの有無が分かる資料。
ネット上の資産・契約
ネット銀行・証券口座や利用サービスの一覧。紙の通帳がないものも書き出します。
借入れ・気になること
借入先や残高、家族との関係、受取人の負担、連絡の希望など。

死後の手続きを進める人も考える

遺言執行者(いごんしっこうしゃ)は、財産の引渡しなど、遺言の内容を実現する手続きを進める人です。受取人の負担も考え、誰に頼むか、引受け・連絡方法・費用を作成前に話し合います。

遺言書の作成手順

自筆証書遺言を選ぶ場合

本文・日付・氏名は本人が手書きし、押印します。本文をパソコンで作り、署名だけ手書きにする方法は使えません。

別紙の財産目録は手書き以外でも作れますが、署名・押印などの条件があります。訂正にもルールがあるため、作成時に最新の方式を確認してください。

法務局の保管制度を使うなら、法務省・法務局の案内で用紙や申請方法も確かめます。希望を書いたメモと、正式な遺言書は別です。

公正証書遺言を選ぶ場合

公証役場へ残したい希望を伝え、作成を進めます。作成には証人2名が必要で、財産を受け取るパートナーは証人になれません。候補者の条件や手配も、公証役場へ相談できます。

  1. 希望を伝える。残したい相手・財産、気になることを共有します。
  2. 資料と費用を確認。必要な準備と、作成までの予定を確かめます。
  3. 案を確認して作成。希望に合う内容か確かめ、当日は公証人が本人の意思を確認して作成します。
相談時に伝えるメモの例

家族に二人の関係を伝えていない場合は、その事情も相談時に共有できます。

同性パートナーへ預貯金や自宅を残す遺言書を考えています。家族には二人の関係を伝えていません。作成方法、必要資料、情報を共有する範囲について知りたいです。

ふたりが互いに財産を残したい場合も、それぞれの希望を整理し、遺言書は一人ずつ準備します。

保管・伝え方・見直し

遺言書があっても、必要なときに見つからなければ手続きを進めにくくなります。作成後は、次の3点も整えましょう。

  • 保管場所:遺言書や手元の書類を、どこに保管しているか。
  • 連絡先:作成を相談した窓口や、手続きを頼んだ人への連絡方法。
  • 見直し:財産やパートナーとの関係、氏名・住所などが変わったとき。

誰に、どこまで伝えるかを考える

家族に二人の関係を伝えていない場合は、書類や連絡で誰に何が伝わるかを、作成時に確認できます。検認や遺言執行などの手続きで、相続人に遺言の存在や内容が伝わるため、死後まで秘密にできるとは限りません。

保管場所や連絡先は、必要な人へ伝えておきます。口座などの一覧と、パスワードなどの秘密情報は分けて管理しましょう。

内容に合う相談先

遺留分(いりゅうぶん)は、配偶者や子、父母など、兄弟姉妹以外の一定の相続人に認められる取り分で、財産を受け取る人へ金銭の請求が生じる場合があります。税金や不動産の手続きも、残し方や財産によって確認したい点が変わります。

気になることに合わせて、相談先を選べます。相談前に、対応する内容・費用・二人の事情を話せるかも確かめておけます。

弁護士
遺留分や親族との調整など、法律面で気になること。
司法書士
不動産の名義変更など、登記に関すること。
税理士
財産を残す・受け取るときの税金に関すること。
公証役場
公正証書遺言の作成、必要な資料や費用。
法務局(保管)
自筆証書遺言の保管制度や申請方法。遺言内容の法律相談とは別です。

メモができたら、自筆証書を考える人は法務省の作成・保管案内を確認し、公正証書を考える人は公証役場へ希望と必要資料を問い合わせます。法律・税・登記の疑問は、その内容に合う相談先へ伝えられます。

”1人”だけど”独り”じゃない。誰もが助け合える世の中にするため
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