ゲイ男性のお金、どう使ってどう残す?今を楽しみながら将来に備える

暮らしの中で生活費・貯金・将来への備えを考える中年男性のイラスト
毎月いくら貯めればよいかに、全員共通の答えはありません。まずはお金を「今の暮らし」「急な変化への備え」「将来の選択肢」の3つに分け、自分の収入と希望に合う使い方を考えてみましょう。 ここでいう「残す」は、今後の自分の暮らしのために蓄えることです。趣味や旅行、人に会う時間も、続けたい暮らしの一部として予算に入れていきます。

情報確認:

アンケートに見えたお金の悩み

ふらっとゲイバーマップが2026年に行ったアンケートでは、20〜50代のゲイ男性各30名、計120名のうち89名が「お金」を気になる悩みに選びました。
年代 選んだ人数 (各30名) ポイント順位
20代 20名 1位
30代 23名 1位
40代 21名 2位
50代 25名 2位

出典:ふらっとゲイバーマップ調べ。順位は、最大3項目の選択順位を点数化した集計によります。この120名の回答を、ゲイ男性全体の傾向とみなすことはできません。

20代の掲載コメントには趣味と貯金を両立したい気持ちがあり、40・50代の集計ではお金と健康の悩みが重なっています。こうした声を出発点に、年代にかかわらず使える家計の整理方法を見ていきます。

生活費と楽しみの予算

最初に見るのは、額面の給与よりも、実際に生活へ使える収入です。給与明細、口座やカードの利用明細から、次の4項目を書き出します。
手取り収入毎月、実際に使える額
毎月ほぼ決まる費用家賃、通信費、定額サービス、返済など
月ごとに変わる費用食費、光熱費、日用品、趣味、交際費など
年払い・予定支出年会費、家賃の更新、帰省、旅行など
年払いは、年額を12で割って月々確保する方法があります。ただし、次の支払までの期間が短い場合は、その積立だけで足りるか、すでに取り分けた額と合わせて確かめます。 収入が不規則なら、調子のよかった一月だけで予算を決めず、複数月の明細を見ます。自営業の売上も、そのまま生活に使える額とは限りません。事業に必要な支出と、生活に回せるお金を分けて確認します。 アンケートの40代の掲載コメントには、人と会う費用の負担を感じる声もありました。交友関係やコミュニティとのつながり、好きなことを続ける支出は、本人にとって大切な生活費になり得ます。「飲みに行くお金は削る」と一括りにせず、続けたいものを予算に入れる考え方もあります。 見直すなら、満足している支出より先に、使っていない契約や、なんとなく続けている支払いを一つ選ぶところから。楽しみを全部なくす計画より、続けられる範囲で調整する方が暮らしに合うこともあります。
月の手取り25万円で考える例(架空)

月の手取り25万円 − 毎月の支出21万円 − 年払い・予定支出の月割り2万円 = 残り2万円

年間の予定支出が24万円なら、12で割って月2万円を取り分ける例です。毎月の支出21万円には、この取り分けを含めていません。金額は計算方法を示す仮の条件で、推奨する貯金額や割合ではありません。
カードで買った分と、その後の口座引き落としを、別々の支出として足さないようにします。残った額から、急な変化への備えと将来の予定に回せる額を考えます。余裕がない月は、まず収支の把握だけでも構いません。

急な変化に備えるお金を残す

病気や休職、仕事の変化で収入が減るときに備えるお金は、予定している旅行や買い物の予算とは分けて考えます。全員が同じ月数の生活費を貯めるのではなく、自分の暮らしなら何が必要かを確認するところから始めます。
毎月必要な費用住居費、食費、光熱費、通院費、返済など
収入が減る期間自分の仕事や働き方を踏まえ、仮に置いてみる
追加の費用普段の生活費とは別にかかりそうな支出
確認できた収入その間に入るお金と、実際に受け取れる時期
仮に置いた期間の生活費と追加費用を合計し、その間に入ると確認できた収入を差し引きます。この不足分を、旅行や更新料など別の予定用を除いた、すぐ使えるお金と比べます。必要な額は、雇用形態、住居費、支える相手の有無、利用できる制度などで変わります。 期間全体の収支が足りていても、入金より先に支払いが来ることがあります。給付を見込む場合は、制度の担当窓口で利用条件と受け取る時期を確認し、入金日と支払日を並べて見ます。確認できていない給付は、確実に入る収入として数えないようにします。 パートナーや家族がいることと、経済的な援助を受けられることは別です。家族へ関係を伝えていない、離れて暮らしているなどの事情がある人もいます。支援を使うことも選択肢ですが、まだ話していない援助を予算に組み込む必要はありません。 始めるときは、収入が減っても支払いが続く費用を一つ選び、金額と支払日を書きます。そこへ他の必要な支払いを足していけば、自分が備える対象が見えてきます。

将来の予定と費用

「将来のために貯める」だけでは、どこまで準備するか決めにくいものです。住み替え、働き方の変更、学び直し、医療・介護への備え、老後の暮らしなどから、今気になる予定を一つ選びます。 結婚、子育て、持ち家といった順番に、自分の暮らしを合わせる必要はありません。一人で住み続けたい、パートナーと暮らす場所を変えたい、仕事を少し減らしたい。その希望を、次の4項目に置き換えます。
何のため実現したいこと
いつ頃お金を使う予定の時期
概算額分かる範囲の費用
確保した額その予定のために、すでに取り分けたお金
費用が分からない欄は、無理に埋めなくても大丈夫です。住み替えなら物件の初期費用や引っ越しの見積もり、学び直しなら受講料など、調べる項目を書いておけます。 引っ越し代や受講料など、使う時期が見える費用に不足があれば、「(概算額−確保した額)÷使うまでの月数」で、月々に用意したい額を考えられます。毎月の収支で続けられなければ、時期・費用・希望する内容を調整します。まだ遠い予定は仮置きし、収入や暮らしが変わったときに見直して構いません。 第1章で旅行や更新料などの積立を決めている場合は、その予定も引き継ぎます。「確保した額」には実際に手元にある分だけを書き、同じ予定の積立を毎月の収支からもう一度差し引かないようにします。また、一つの貯金残高を「急な変化への予備」と「将来の予定」の両方に全額ずつ数えると、実際に使えるお金より多く見えてしまいます。口座を増やさなくても、メモの上で役割を分けられます。

パートナーとの家計を決める

パートナーがいる場合も、すべての財布を一緒にすることが正解とは限りません。二人で負担する費用と、各自が自由に使うお金を分けて話し合うと、日々の支払いを整理しやすくなります。
担当する費用を決める各自の財布から、家賃や食費などを分担して払う
共同費だけ持ち寄る二人に共通する支出を記録し、決めた方法で精算する
生活費を広く共有する家計の多くを一緒に管理し、個人で使う分も確保する
これらは組み合わせられる例です。共通の銀行口座を持つことや、相手に暗証番号を教えることを前提にする必要はありません。 話しておきたいのは、対象にする費用、負担する額、支払いの記録をつける人、見直す時期です。収入差がある場合に半額ずつが続けやすいとは限りません。収入が減ったり別居したりしたときの支払いも、暮らしの変化に合わせて話し直せます。 勤務先の福利厚生を家計に見込むなら、実際の対象や申請方法を人事・制度担当に確かめます。厚生労働省の企業事例でも、同性パートナーに関する対象制度や書類、情報の扱いは会社によって異なります。 まず制度一般について「対象は誰ですか」「必要書類は何ですか」「申請情報を見る人や共有先は誰ですか」と聞く方法もあります。家計を書き出すために、家族や勤務先へカミングアウトする必要はありませんが、実際の制度申請で求められる情報とは分けて考えます。 一人で暮らしている人は、二人の管理方法を取り入れる必要はありません。一人暮らしと孤立も同じではなく、友人やコミュニティとのつながりを保ちながら、自分の予算を決める暮らし方もあります。

貯金・保険・投資を選ぶ前に

第3章で書いた予定を見ながら、お金を使う時期と、手元に必要な額を確かめます。貯金、保険、投資は、同じ役割を持つものではありません。 貯金は、日々の支払いや予定した費用、急な支出に向けてお金を手元に残す方法です。必要なときに取り出せるかも、使い道と一緒に確かめます。 保険は、契約で決まる出来事や条件に備えるものです。貯金と同じように、急な支払いへ使えるとは限りません。投資には値下がりの可能性があり、必要なときに予定した金額を使えるとは限りません。近く使うお金や急な支払いの備えまで、同じように考えないことが大切です。 商品を選ぶ前に、自分の収支と予定が見えていれば、何を比較したいかも具体的になります。今の段階で、保険への加入や投資を始めることをゴールにしなくても構いません。

今日からできる3つのこと

  1. 直近の明細から、手取り・毎月の支出・年払いと支払時期を一枚に書く。
  2. 続けたい楽しみの予算と、収入が減っても必要な費用・支払日を一つずつ書く。
  3. 将来の予定を一つ選び、時期・概算額・確保した額を書く。続けられる積立額と取り分ける日を考える。
すべてを今日決める必要はありません。まずは、自分が続けたい楽しみと、いま使えるお金を一枚のメモに書くところから始めてみてください。
調査方法と参考資料
アンケートは、ふらっとゲイバーマップ編集部が2026年に実施。20代・30代・40代・50代のゲイ男性各30名が、お金・仕事・恋愛・健康・友人関係・家族から気になる悩みを最大3項目、優先順位付きで選び、理由を自由記述しました。順位は1位3点・2位2点・3位1点で集計し、未回答の順位には加点していません。掲載コメントは編集部が表記を整えたものです。募集経路や詳細な実施期間、所得・貯蓄額などは公開資料から確認できず、年代比較は同じ人を追った調査ではありません。 出典:ふらっとゲイバーマップ編集部「20代から50代のゲイ男性は、何に悩むんだろう?4世代120名の声から見る悩みの変化」および各年代の記事。 参考資料:
  • 金融庁「資産形成の基本」「基礎から学べる金融ガイド」
  • 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「生活設計・家計管理」60分講義モデル
  • 家計の見える化検討会議/J-FLEC「家計の見える化検討会議 報告書」
  • 厚生労働省委託事業「多様な人材が活躍できる職場環境に関する企業事例~性的マイノリティに関する取組事例~」
資料確認日:2026年10月11日。

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