LGBTQライフプラン 入院・医療。家族に伝えていないとき、病院でパートナーとの関係をどう伝えるかを表したイラスト。

家族に伝えていないとき、病院でパートナーとの関係をどう伝える?

家族にパートナーとの関係を話していない場合でも、受診や入院のために家族へカミングアウトする必要はありません。病院には、「パートナーとの関係をどこまで伝えるか」と、「誰に何を共有してよいか」を分けて伝えられます。

情報確認:

最初に伝えたい3つ

関係のことを全部説明する必要はありません。まず、自分がどこまで伝えたいかと、病院にしてほしい対応を3つに分けて考えます。

パートナーとの関係をどこまで話すか
パートナーに何を共有してよいか
家族に伏せてほしいこと

たとえば:「家族には、この人がパートナーだと伝えていません。〇〇さんには病状を説明して構いませんが、家族の前では二人の関係を伝えないでください。」

「パートナーだと伝えるか」と「その人に病状を説明してよいか」は分けて考えられます。希望は病院へ具体的に伝えましょう。ただし、緊急時など生命・身体の保護に必要な場面では、本人の同意なしで情報が共有される場合があります。

いつ・誰に相談するか

全国共通の専用用紙があるわけではありません。受付で詳しく話しにくければ、「パートナーとの関係や、家族への情報共有について個別に相談したい」と伝えるところから始められます。

タイミング相談する相手伝えること

受診したとき

医師・看護師・受付

家族への説明や、パートナーとの関係について相談したいことを伝えます。

入院するとき

入院受付・病棟看護師

連絡先、病状説明をしてよい人、家族へ伝えてほしくないことを確認します。

入院したあと

病棟看護師・患者相談窓口

希望が変わったときや、院内でどう記録・共有されているか確認したいときに相談します。

患者相談窓口や医療ソーシャルワーカーなどへつながる場合もあります。窓口名や対応方法は病院ごとに異なります。

関係の伝え方は3通り

「パートナー」と伝える方法も、関係名を詳しく言わず必要な役割だけ伝える方法もあります。

大切なのは、呼び方だけではなく「この人に病状を説明してよい」「家族の前では関係を伏せてほしい」など、病院にしてほしい対応まで伝えることです。

実際には、同性パートナーを家族同様に扱うことを明記している病院もあれば、病棟や治療環境によって面会者を制限している病院もあります。

「パートナー」と伝える

「この人は同性パートナーです。病状説明を一緒に聞いてほしいです」と伝え、病院でどこまで対応できるか確認します。

関係名を言わず、役割だけ伝える

関係を詳しく話したくなければ、「この人には病状を説明して構いません」と、必要な役割だけを伝える方法もあります。

家族には関係を伏せていると伝える

「家族には関係を話していません。家族の前ではパートナーという言葉を使わないでほしいです」と、アウティングを避けたいことも伝えられます。

家族とパートナーが同時に来たとき

「親族だから必ず優先」「パートナーだから必ず優先」という一律の順番だけで決まるわけではありません。

自分で希望を伝えられる

本人の意思を確認することが基本です。誰に説明してよいか、家族の前で何を言わないでほしいかも、その場で伝えます。

自分で希望を伝えられない

本人の意思をどう推定するか、治療方針をどう話し合うかは別の論点です。本記事では詳しく扱わず、別記事で取り上げます。

緊急性が高い

本人の同意を得ることが難しく、生命や身体を守るために必要な場合は、本人同意なしで家族等へ情報が提供されることがあります。

※面会、病状説明、医療行為への同意は同じものではありません。それぞれの違いは、別の記事で詳しく扱います。

家族に知られたくない情報があるとき

病状だけでなく、入院していることや、誰がパートナーなのかを家族へ知られたくない場合もあります。対応できる範囲を病院へ確認します。

  • 家族へ病状を説明する前に、自分へ確認してほしい。
  • 家族の前では、パートナーとの関係を口にしないでほしい。
  • 外部から問い合わせがあったとき、入院の有無を答えない対応ができるか確認したい。
  • この希望を、病棟や担当者の間でどう記録・共有するのか確認したい。
そのまま使える伝え方を見る
  • 「家族にはパートナーのことを話していません。家族へ説明する前に、私へ確認してください。」
  • 「〇〇さんには病状を説明して構いません。病院ではどのように登録できますか。」
  • 「家族の前では、〇〇さんとの関係をパートナーだと伝えないでほしいです。院内で共有できますか。」

※上の文は法定の様式ではありません。希望を伝え、病院でどこまで対応できるか確認するための言い方の例です。

救急で自分から伝えられないとき

救急では時間も情報も限られ、事前の希望や書面が必ずその場で確認されるとは限りません。本人が意思を伝えられず、生命や身体の保護に必要な場合は、本人の同意なしで家族等へ情報が共有されることがあります。

  • 普段の受診・予定入院:説明してよい人、伝えないでほしい人を病院へ伝える。
  • 入院したあと:希望がどこに記録され、担当者間でどう共有されるかを確認する。
  • 自分で意思を伝えられない場合:詳しい備えや意思決定の考え方は、別の記事で扱う。
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