緊急連絡先を誰にする?家族以外の人を頼りたいときの備え

緊急連絡先、家族以外に頼める? 連絡先のカードとスマートフォンを手に、二人が備えを考えるイラスト

ふらっとゲイバーマップ|ライフプラン編

「家族には頼みにくい」「いざというときは友人やパートナーへ連絡してほしい」。そんな場合でも、家族以外の人を緊急連絡先にできることがあります。

ただ、名前を書いて終わりではありません。何のための連絡先なのか、相手にどこまで頼むのかを、先に確かめておく必要があります。この記事では、「LGBTQライフプラン|暮らしのこと、これからのこと」の「暮らし」から、緊急連絡先の選び方と頼み方を紹介します。

情報確認:

家族以外でも登録できる?

友人や同性パートナーを受け付けるところもあります。 ただし、登録できる人の条件は提出先ごとに異なります。 家族以外でも登録できる 条件は提出先で異なる

友人やパートナーを書ける申込書もあれば、「別居の親族」「国内に住む成人」などの条件がある申込書もあります。空欄を埋める前に、この欄は何のためにあり、誰なら登録できるのかを窓口へ聞いてみましょう。

書類に出てくる役割と確認したいこと
書類の言葉何を頼まれる?何を聞く?
緊急連絡先本人と連絡がつかないときや、急な出来事があったときの連絡電話を受ける以外に、来訪や荷物の対応も含むか
保証人・連帯保証人支払いなど、契約に書かれた責任金額、期間、対象になる場面はどこに書かれているか
身元保証人・身元引受人連絡、費用、退院・退所時の対応などその書類では、どの役割まで含めているか
本人の希望を伝える人本人が大切にしていることや、事前に話した希望の共有誰へ何を伝えてよいか、どこに記録するか

※呼び方が同じでも、頼まれる内容は書類によって違います。実際の説明と条項を確かめてください。

登録先ごとに役割が違う

住まいでは本人と連絡がつかないときの取り次ぎ、病院では急変時の第一報など、連絡先を使う場面は一つではありません。介護施設のように、来訪や退所時の対応まで尋ねられることもあります。相手を決める前に、提出先へ次のように聞いてみましょう。

住まい

連絡先と保証人は別か

管理会社・保証会社へ「友人を緊急連絡先にできますか。支払いの保証は含みますか」

病院

連絡、病状説明、面会は別か

受付・患者相談窓口へ「この人を連絡先にして、必要な説明も共有したいです」

職場・学校

使う場面と、情報を見る人

人事・学生窓口へ「親族以外でも登録できますか。どんなときに連絡しますか」

介護施設

連絡、支払い、来訪、退所

施設の相談員へ「必要な役割を、別々の人や制度に分けられますか」

住まい

友人や知人を緊急連絡先として認める保証制度もあります。とはいえ、すべての物件で同じ条件が使われているわけではありません。申込書を見せながら、「誰を登録できるか」「どんなときに電話が入るか」を聞きます。

病院

連絡先として登録しただけで、その人へ病状が伝えられるとは限りません。自分で話せるうちに「この人へ、ここまで伝えてほしい」と申し出て、院内のどこへ記録されるかを聞いておきます。

職場・学校

続柄の選択肢に「友人」や「パートナー」がないときは、記入方法を窓口へ尋ねます。性的指向や二人の関係を詳しく話さなくても、「本人が指定する人を登録したい」と伝えられます。

介護施設

「連絡先」と言われても、受診の付き添い、支払い、退所、荷物の対応まで想定されていることがあります。一人へまとめて頼む前に、何が必要なのかを一つずつ聞きます。身元保証人等を用意できないときは、施設の相談員へ代わりの方法を相談できます。

頼む相手と、先に話しておく

親しい人でも、仕事中は電話に出られない、遠方なので駆けつけられない、といった事情があります。関係の深さだけで決めず、できることと難しいことを先に話しておきます。

提出先を伝える

住まい・病院・職場など

いつ電話が来るか夜間や不在時の連絡があるかも伝える

頼む範囲を伝える

電話、来訪、ペットなど

頼まないことも伝える支払いや手続きが含まれないなら、はっきり伝える

都合を聞く

仕事、距離、体調、時間帯

できる範囲を決める電話は受けられるが、駆けつけは難しい場合もある

了承を得る

登録する前

断っても大丈夫と伝える難しくなったら、あとから変更できることも共有する

同居しているパートナー

今の暮らしをよく知る、頼みやすい相手です。ただし、事故や災害では二人とも連絡できないことがあります。第2連絡先も登録できるなら、別の友人や支援者も考えておきます。

遠方にいる友人

電話を受ける役なら頼めても、現地へ行くのは難しいかもしれません。駆けつけまで必要なら、近くにいる別の人へ分けられないかを提出先へ尋ねます。

一人にまとめるのが難しいとき

第1・第2連絡先を登録できるか、電話を受ける人と現地で動く人を分けられるかを聞きます。親しい相手にも、無理のない範囲だけを頼みます。

共有する情報は、必要な分だけ

連絡先を登録したら、自分用のメモを一つ作っておきます。相手へ渡すのは、電話を受けたときに必要な情報だけで構いません。

緊急時に備えて自分用に残す情報
項目記録する内容確認すること
登録先管理会社、病院、勤務先など変更を届ける窓口
連絡相手氏名、電話番号、了承を得た日第2連絡先も登録できるか
連絡の場面急変、不在、災害などいつ、どの順番で連絡されるか
頼むこと電話、来訪、ペットなど相手が無理なく対応できるか
頼まないこと支払い、署名、手続きなど書類にも含まれていないか
必要な情報住所、通院先、服薬情報の所在など誰へ、どこまで伝えてよいか
更新変更方法と最後に確認した日次に見直す時期

※この表は自分用の確認メモです。サイトへ氏名や健康情報を入力するものではありません。

紙で残す

財布などに入れるカードには、連絡につながる最小限の情報だけを書きます。詳しい健康情報や家族関係まで、誰にでも見える状態にする必要はありません。

スマートフォンに登録する

iPhoneの「メディカルID」や対応するAndroid端末では、緊急連絡先を表示できます。ロック中に見える情報もあるため、相手の了承を得て、表示する内容を選びます。設定方法は、使っている端末の公式案内で確認してください。

頼める人がいないときは、提出先へ相談する

人の名前を急いで書く前に、書類と期限を窓口へ持っていきます。

「個人の緊急連絡先を用意できない」と伝えたうえで、何が必要なのかを聞きます。電話を受ける人、費用を保証する人、現地で動く人では、相談できる方法が違うからです。

必要な役割を聞く

申込書・案内書

何で困っているか連絡、保証、来訪、手続きのどれが必要なのか

代わりの方法を聞く

担当者名・回答のメモ

家族以外の選択肢友人、複数人、法人、別の書式を使えるか

専門窓口へつなぐ

提出期限・現在の状況

次に相談する場所使える制度と、持参する書類を教えてもらう

住まい

管理会社へ確認したうえで、自治体の住宅相談や居住支援法人へ。申込書と期限を見せ、個人の連絡先を用意できないことを伝えます。

入院・医療

病院の患者相談窓口や医療ソーシャルワーカーへ。連絡、荷物、費用、退院後の生活のうち、何を準備できないかを伝えます。

介護

施設の相談員、地域包括支援センター、自治体の介護保険担当へ。連絡、受診、支払い、退所の役割を分けられるか聞きます。

有料サービス・請求

契約前は対応範囲、総額、追加費用、解約、預けた金銭の管理を確認します。迷ったら公的な相談窓口などへ書類を見せます。

緊急連絡先だけでは頼めないこと

緊急連絡先へ名前を書くだけで、支払いの保証や本人に代わる手続きまで任せられるわけではありません。次のことも頼みたいなら、連絡先の登録とは別に準備します。

費用を保証してほしい

金額、期間、対象

契約先緊急連絡先とは別の契約か、書類で確認する

病状説明を共有したい

誰へ、何を伝えてよいか

受診先院内での伝え方と記録方法を確認する

手続きを代わってほしい

何を、いつ頼みたいか

手続きを受け付ける窓口必要な書類と、任せられる範囲を確認する

亡くなった後を頼みたい

葬儀、住まい、荷物、費用

関係する事業者・専門家頼みたい仕事を分けて相談する

まず、一つの提出先から確認する

住まい、病院、職場のうち、いま一番気になる書類を一つ開いてみてください。「この欄は連絡先だけ?」「家族以外でもいい?」「相手に何を頼む?」の三つが分かれば、次にすることが見えてきます。候補がいるなら、頼むことと頼まないことを話してから登録します。候補がいないなら、書類と期限を持って窓口へ相談します。最初から、一人にすべてを任せる必要はありません。

医療、相続、老後、亡くなった後の手続きなど、次に考えたいテーマは「LGBTQライフプラン」の記事一覧から選べます。

この記事をシェア